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パリの自転車レーンを走ってみた

2013年5月20日 12:02 PM

 フランスもイギリス同様かつてはヨーロッパの中では自転車政策の遅れた国で、パリ市内でも自転車を使う人は少なかった。しかし日本でもすっかり有名になったコミュニティサイクル「ヴェリブ」の成功などをきっかけに自転車利用が増えている。
 また、ヴェリブ以前から自転車レーンや自転車道の整備を進めていて、自転車走行空間の総延長は1997年時点で10kmだったのが、2006年には370kmになっているそうだ。
 と言ってもやはり大都会。日本同様、大通りは車が多く駐車車両も多いので走りにくい。裏通りに逃げると一方通行が多く、自転車もそれを守らなくてはならないので、遠回りを強いられてしまう。ただし近年自転車を優先するため、自転車なら逆走可能な一方通行も増えている。下の写真は自転車なら逆走可能の標識がある道。
1way

 ただし、狭い一方通行の道を逆走して真っ正面から対向車が来るのは危険なので、どのように安全を確保するかの問題はあるだろう。

 自転車の平均速度が時速30kmにもなるロンドンの後に来ると、大陸側のヨーロッパでは自転車はだいぶゆっくり走っているように見える。高齢の方でも自転車に乗っているし、ロンドンのようにサイクルジャージにヘルメットではなく、普段着で乗っている人がほとんどだ。「ヴェリブ」もよく使われている。それでも平均速度は時速20kmくらい。日本に比べたらずっと速い。

 パリの自転車レーンは、下の写真のように緑がシンボルカラー。車道側にある場合と、歩道側にある場合、両方がある。割合としては半々くらいか。
lane1

 交差点でも自転車がまっすぐ走れるように、自転車マークと走行方向が大きく描かれている。車に「ここは自転車が通るから気をつけろ」と注意を促す効果もある。
crossing1

 こちらは市松模様が描かれている。
crossing2

 車道側の場合はバスレーンとの共用も多い。日本のようにバスレーンにもかかわらず無視して一般車両が走っている光景はさすがに少ないが、不法駐車がズラッと並んでいる所もある。車のマナーはあまりよろしくない。
parking

 次の写真は、道路中央の緑地帯に作られた自転車レーン。狭いし、歩行者がいつ出てくるかわからないので、あまり走りやすいとは言えない。
center

 交差点で走行位置と方向が示されているのはいいが、緑地帯内のレーンはこの幅で双方向走らせるのは無理があるのでは?
crossing3

 こちらは十分な幅が確保されている。元からあった緑地帯を利用したためかもしれないが、自転車レーンを道の真ん中に通そうというのはおもしろい。
center2

 中にはこんなところも。自転車レーンがいきなり歩道側から車道側に出る。急に直角に曲がるのはやめて欲しい。
angle

 次の写真は、セーヌ川にかかるベルシー橋の自転車レーン。上を高架鉄道が走っているため雨が降ってもだいじょうぶ。日本でも鉄道の高架下などは自転車レーンとして活用できるのではないかと思う。
bridge

執筆者

合同会社自転車ライフプロジェクト 代表 藤本芳一


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