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問題が多いスペインの自転車レーン

2014年1月26日 11:23 AM

 2010年にスペインを自転車で走った。

 歴史遺産は豊富で景色もすばらしく、走っていて楽しい国なのだが、自転車の走りやすさはどうかというと、問題が多い。

 一番の問題は、街と街の間をつなぐ道が高速道路しかないことが頻繁にあることだ。自転車はいったいどうしろというのか?

 地元の人に聞いたら「高速道路を走れ」という。入口まで行ってみると「自転車進入禁止」の標識が出ている。どうするべきかと戸惑っていると、ロードバイクの人が入っていく。こちらも一大決心をして高速道路に入って路肩を走っていったのだが、時速100kmくらいで車がビュンビュン飛ばす横を自転車で走っても全然おもしろくない。スペインは山が多く、道もアップダウンが多い。ビュンビュン飛ばす車の横で、自転車でとろとろ坂を登っていくなんて命が縮まる思いだ。自転車レースも盛んな国で、ロードバイクで走っている人も多く、高速道路を走っている人も時々見かける。一応通行禁止のはずだが、警察も黙認なのか?

 一般道があるところはできるだけ一般道を走るようにしたのだが、それでもかなりの距離の高速道路を走ることになってしまった。

 写真はグラナダ近くで出会ったサイクリスト。ここは高速道路ではない。
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 首都のマドリードは坂が多く、自転車には向いていない。実際自転車を使っている人は少ない。
 それでも、マドリード郊外の環状道路沿いには自転車道があった。
 なぜだか、自転車の方が歩行者より外側を走るようになっている。
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 いきなり歩行者自転車用信号があり、道の反対側に渡る。こういうことが時々あるので、気持ちよく走る続けることができない。
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 自転車道が道のど真ん中にあることもある。道沿いの店などに立ち寄れないので不便だ。
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 マドリードの街中で自転車ツアーの団体に出会った。
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 スペインでは、バルセロナが一番自転車政策が進んでいるらしい。しかし、行っていないので紹介はできない。

 私が行った街の中で一番進んでいたのはセビーリャだ。セビーリャはマドリードと違って平坦なので自転車が走りやすく、使う人も多い。
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 しかし、上の写真のように両方向の自転車レーンが道のどちらかにまとめてあることが多く、マドリードと同じように、いきなり信号があって道の反対側に渡ったりするので、やはりやや使いにくい。

 次の写真は車いすと自転車の共用レーンのようだ。大丈夫なのか?
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 この旅で見た自転車レーンで一番おもしろかったのは、地中海から大西洋への出口、ジブラルタル海峡に面した街、ジブラルタルで空港の滑走路を一般道が横断するところだ。なお、ジブラルタルはスペインではなくイギリス領になっている。飛行機の離着陸時には踏切が閉まり、その時だけ道路が止められる。ここにはしっかりと広い自転車レーンが描かれていた。
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執筆者

自転車ライフプロジェクト 代表 藤本芳一


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